鮫(サメ)でウミネコを見よう

ぽんぽこツアーズ

八戸発、鮫行きの列車

 「2番線から各駅停車、鮫(サメ)行きが発車します」このアナウンスを聞いて違和感を感じる人は多いのではないでしょうか。違和感を感じない人は八戸市民か、鉄道好きか、旅行好きの人でしょう。この「鮫」というのは青森県八戸市鮫町のことです。
 ちなみに鮫町の由来は、魚のサメが獲れたからとか、「寒い」から変化したとか、「沢(さわ)」から変化したとか諸説あります。
 鮫へのアクセスは、東北新幹線の八戸駅からは八戸線に乗り換えて行けます。

 八戸駅を出発すると八戸線は美しい田園風景の間を抜けて行きます。八戸から2つ先に本八戸駅がありますが、八戸市の中心街の最寄駅は八戸駅ではなく本八戸駅になります。本八戸駅からさらに4駅先に進むといよいよ鮫駅に着きます。

鮫駅

鮫駅は単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線のホームを有する駅で、有人駅としては青森県最東端の駅です。

 ちなみに八戸線の八戸〜鮫の区間の愛称は「うみねこレール」と言います。それを表すうみねこのマークがキハE130系気動車の側面にデザインされています。水色のラインだけだと京浜東北線のようにも見えますが、ワンポイント加わることで「うみねこレール」という感じがしてきます。八戸市内の区間がなぜ「うみねこレール」となったのか、それはこの鮫町に関係があるのです。
 駅名表示をみてもうみねこのデザインがあしらってあります。駅名は「鮫」なのに。ちなみに英語表記は”Same”、「同じ」という意味の英単語ですね。
 駅舎の外観はこんな感じ。コンパクトで可愛らしい駅舎です。

4万羽のうみねこが舞う蕪島

 海の方へ進むと何やら看板が。
「ようこそ鮫町へ 4万羽のうみねこが舞う蕪島」
 そう、ここ鮫町はウミネコの大繁殖地となっている蕪島があることで知られているのです。
 しばらく歩くと蕪島(かぶしま)が見えてきました。蕪島は種差海岸の北端に位置する島です。島といっても1942年(昭和17年)に埋め立て工事が行われて以降は陸続きとなっています。
 蕪島の頂上には蕪嶋神社があります。残念ながら旧社屋は2015年に消失してしまったため、行った時(2019年8月)はまだ再建工事中で入れませんでした。
 そして蕪島の地図…、の上にさっそくいましたウミネコです。
 蕪島と本土の間は海水浴場になっていますが、海水浴場周辺も都会の鳩と同じくらいの割合でウミネコがいます。

行った時はウミネコの真っ白な羽になりきっていない若鳥が多く、「わあ、ウミネコがいっぱい」という感覚よりも「わあ、茶色い鳥がいっぱい」という感じがしました。

360度見回してあらゆるところに茶色い鳥がいます。

 ほら、ここにも。
 そして蕪島にある休憩所では、こんな覗き穴からウミネコをみることができます。この時は芝だけよく見えましたが、子育てのシーズンになるとこの近くでウミネコの様子を見ることができることがあるそうです。
 また、休憩所の前には水をはったタライが何個か置いてありました。休憩所の中からしばらく見ていると、どこからかウミネコがやってきて水浴びをし始めました。ウミネコの入浴シーン、なかなか貴重ですね。
 帰りは鮫駅までバスを利用しました。本州最北端の青森県といえども夏はかなり暑いので、もし夏に行った場合はバス利用をお勧めします。

八戸線の楽しみかた

 八戸線で鮫駅より先に進むと最終的には岩手県の久慈駅に到着します。連続テレビ小説『あまちゃん』の舞台となった地です。
 かつては八戸線の八戸〜久慈の区間で「リゾートうみねこ」という観光列車が走り、しかも自由席は普通運賃で乗れたのですが2020年に運転終了となってしましました。ゆったりとしたリクライニングシートと大きな窓で沿線の景色が楽しめる車両だったので、残念です。
 ちなみに同区間はレストラン列車「TOHOKU EMOTION」も運行しています。こちらは旅行商品となっているので気楽には乗れませんが、いつか乗ってみたいものです。
 八戸市内は鮫駅の蕪島の他にも本八戸の市街地や、館鼻岸壁朝市、淀の松原などみどころがたくさんあります。「うみねこレール」こと八戸線でのんびり旅してみてはいかがでしょうか。

コメント

  1. 神がくれた美しい体 より:

    結構、面白いし、ブログを読んだ事で、自分が知らない世界や情報をえられてためになります。素晴らしい

    • サバイバルいばる より:

      ありがとうございます。いろいろ書いてみたけど、行った旅行の話が書きやすいのでいろいろな地方の話を書いていこうと思います。

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